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観る(大人のための観光ガイド)

 甲府は、武田信玄や太宰治の歴史がたどれる寺社などが多く、歴史ファンのみならず多くの人が訪れます。
 また美術館やランドマークなどもあり、見どころいっぱいの街です。
 そんな甲府を訪れる大人の旅のために、地元の者しか知らないちょっとだけ詳しい話を加えて、ご紹介します。


これは外せない甲府定番観光スポット

舞鶴城公園

 舞鶴城公園は、甲府城跡地の公園です。
 この一帯は、平安時代後期には甲斐源氏の一族である甲斐一条氏が勢力をもっていました。
 このため人々は、この山を「一条小山」と呼んでいたそうです。平安時代末期、その舞鶴城公園「一条小山」を支配し、源平合戦でも活躍した「一条忠頼」 が館をもっていたのですが、源頼朝によって鎌倉で殺害されてしまいます。その菩提をとむらうため、その妻により「一蓮道場」(のちの一蓮寺)が建てられ、 周辺は門前町として栄えました。

 戦国時代には甲斐国の守護「武田信虎(信玄の父)」は、石和の川田館から甲府の「武田氏館(躑躅が崎館)に根拠地を移します。 そこで躑躅ヶ崎館(武田氏居館)を中心とする武田城下町が整備されました。ここに「武田氏館」が甲斐国の政治拠点となりました。

 その後、よく知られる「武田信虎の追放」を受け、武田信玄が中心となって、武田氏・穴山氏・小山田氏の勢力を結集して、甲斐国を動かしていきました。

 信濃・駿河・西上野へと領国拡大を行い、躑躅ヶ崎館は勝頼の時代に至るまで領国経営の中心でした。信玄の後を継いだ勝頼の代に新府城(韮崎市)が築城され本拠地の移転が試みられたが、 1575(天正3)年、武田勝頼は、織田・徳川連合軍によって、「長篠の合戦」で大敗を喫します。巻き返しをはかるため、1582(天正10)年に、今の韮崎市の七里岩に「新府城」を築城。政治の中心地としました。
舞鶴城公園
 しかし、その直後、織田・徳川連合軍は甲州征伐を開始。高遠城での仁科盛信の壮絶な戦死の一報を受け、武田勝頼は戦わずして敗走。笹子峠で小山田勢に発砲され孤立。天目山にて滝川一益との戦闘の末、武田氏は滅亡してしまいました。

 甲府城の歴史は天正10年(1582)の武田氏滅亡とともにはじまります。
 武田氏滅亡後、甲斐国は織田氏の支配下となります。 織田信長は甲府入りし、河尻秀隆に甲斐の国の支配を行わせた後徳川家康とともに、本栖湖経由で安土城に戻りました。
 しかしわずか3ヶ月後、京都:本能寺で明智光秀の奇襲(6月2日)に遭い、織田信長は死亡。
 河尻秀隆も、甲府市岩窪町の館で、本能寺の変を知った甲斐国の領民の一揆に遭い、武田遺臣、三井弥一郎によって殺害されてしまいました。

 織田信長の死後、甲斐を手に入れた徳川家康が平岩親吉に命じて、当時一条小山にあった一蓮寺を移転させて築城します。その後、天下を統一した豊臣秀吉の甥である羽柴秀勝とその腹心だった加藤光泰らが城主となり、彼らの死後は浅野長政・幸長父子が主となって城を完成をさせました。
 しかし慶長5年(1600)、関ヶ原の戦い以降は再び徳川の城に。戦国末期から江戸時代にかけ急展開した歴史とともに、主もまた頻繁に変わっていった城だったのです。

 江戸時代初期は将軍家が城主でしたが、宝永元年(1704)に当時の城主だった徳川綱豊が江戸に移ってからは、祖先が甲斐出身であった柳沢吉保が15万石で城主になりました。この時代に甲府城は大名の城として整備され、城下町とともに大きく発展していきます。その後、甲斐国は幕府の直轄地となりますが、享保12年(1727)の大火によって城の本丸御殿や銅門は焼失してしまいます。

 明治時代に入り廃城となった城跡では、内城全体が勧業試験場として利用されるようになりました。さらに大正15年(1926)年には現在の山梨県庁が旧楽屋曲輪内に新築され、西側部分は市街地へと変貌。
 また、中央線敷設にともなって屋形曲輪と清水曲輪も解体されていきました。

 現在は城跡の一部が「舞鶴城公園」として市民の憩いの場となっていて、平成25(2013)年には本丸南側に2階建ての櫓門「鉄門(くろがねもん)」が復元されています。甲府城にまつわる文化や歴史について、観光ボランティアから詳しい説明を受けながら見学してみるのもよいでしょう。
 なお、遊亀橋側の入り口に鎮座する鶴の像は、かつて謝恩碑東側にあった実際の噴水装置でした。第二次大戦によっていちどは取り壊されていましたが、戦後40年を経たのち、「鶴のいない舞鶴城ではおかしい」と考えた甲府市婦人連合会が“百円玉募金運動”を展開。市民の協賛を得て現在の場所に再現されたといういきさつがありました。

 このほかにも調査発掘によって発見された「二重の石垣」や、ひとつの岩を割って石垣に使ったためにまったく同じ切り口を持つことになった「兄弟石」など、あちこちに再発見の種が。見慣れた風景もそのいきさつを知ることで、また違った見えかたを楽しめます


詳細情報
名称 舞鶴城公園
住所 甲府市丸の内1丁目
アクセス JR甲府駅から徒歩5分


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