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癒す(大人のための温泉ガイド)



湯村温泉郷


湯村温泉のおいたちと歴史
 大同3年(西暦808年)、弘法大師が東北巡行の帰り、信州路より甲州路に入り、近くの国宝尼除地蔵で身体を休めていました。この道路の真ん中に大石があり、旅人の通行を困難にしていたところをご覧になるや、呪文を唱えながらで杖にて寄せたところ、そこから温泉が湧き出ました。これが湯村温泉の始まりと言われています。そんな縁起をもった閑静な、湯村山のふところに広がるいで湯の里です。
 このお湯は「杖の湯」と呼ばれ、現在では「弘法湯」のお湯がその名残であり、「弘法湯」旅館の裏側には史蹟が残っています。

 古くは志麻庄にあったことから志麻の湯とも呼ばれており、信玄公のかくし湯の筆頭としてしられ、武田信玄がこの温泉で傷や疲れを癒したとも言われています。

 温泉郷として旅館街ができる以前は「杖の湯」のほか「鷺の湯」、「谷の湯」、「崖甫の湯」を合わせた4つの湯が銭湯として庶民に愛され憩いの場とされていました。その情景が、葛飾北斎の「勝景奇覧、甲州湯村」団扇絵に書かれています。

文豪も愛した温泉
 太宰治は自分の滞在した宿を小説『美少女』の中に登場させています。
 「湯村のその大衆浴場の前庭にはかなり大きい石榴の木があり、かっと赤い花が満開であった」、「浴場はつい最近新築されたものらしくよごれがなく、純白のタイルが張られて明るく日光が充満していて清楚な感じである」。

 太宰治が初めて湯村温泉郷を訪れたのは、1939年(昭和14年)ごろと言われています。師匠であった井伏鱒二のすすめで湯村温泉郷を知った太宰治は、結婚の翌年に甲府に新居を構えて山梨県で暮らしている間に何度も湯村温泉郷を訪れており、東京に住居を移したあとも、たびたび湯村を訪れたようです。

泉質
 武田信玄も湯治したと言われる湯村温泉では、毎分1トンもの湯量が湧出しているそうです。
 気になる温泉の泉質は無色透明・無味無臭のナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉。ph7.29の弱アルカリ泉でお湯がやわらかく入り心地が良く、源泉の温度が41℃程度で入浴に適しており、自然の状態に手を加えない天然温泉を楽しむことができます。
 この温度は副交感神経の働きを活発にし、気持ちを落ち着かせ、リラックスさせる効果があります。肌がツルツルピカピカになると評判のため女性に人気の温泉地でもあります。

温泉街の散策
 温泉街の里山の湯村山山頂には、躑躅(つつじ)ヶ崎に居館を移した武田信虎が、甲斐国府中の統治を強固なものとするため、大永3(1523)年に築いたといわれる湯村山城の跡があります。甲府盆地一帯を見渡すのに適した立地を活かして、監視や情報収集といった役割を担い、緊急時の迅速な情報伝達を行うための烽火(のろし)台も設置されていました。山頂部分では、土塁や石積み、かつて使用されていた井戸など、当時の面影を垣間見ることができます。
 湯村山は遊歩道が整備されているので、歩いて30分程度で山頂まで登ることができます。山頂からは晴れた日には富士山の眺望を楽しむことができますので、散歩がてら行ってみてはいかがでしょうか。
 湯村温泉側からは、塩澤寺から、旅館明治裏から、竹中英太郎記念館横からなど、いくつも登り口はありますが、どこも同じ道につながります。

 湯村山の中腹には挿絵画家の竹中英太郎の作品を収めた「竹中英太郎記念館」があり、散策ついでに作品を鑑賞してみるのもおすすめです。挿絵画・竹中英太郎は昭和39年湯村に居を構えたとされています。昭和63年、82歳で生涯を終えるまで、湯村で過ごしました。館内には竹中英太郎の作品が約150点展示されています。

 湯村山山麓には法泉寺があります。甲府五山の一つで、武田勝頼の歯髪の一部を境内に埋葬したと伝えられています。

湯村八蹟めぐり
 この他にも渡来人が残したとされる「地蔵古墳」や温泉郷の守り神を祀る「湯谷神社」など、古くから存在する名所が多数あります。これらを含めた8つの史跡を巡ることを「湯村八蹟巡り」と言い、初めて来る観光客も楽しく歴史を学ぶことができます。
 もちろん八蹟巡りに疲れた後は温泉に浸かって歴史に思いを馳せてみましょう。

1.塩澤寺
 福田山塩澤寺は、(大同3年)808年弘法大師が6寸の坐像(秘仏)を彫り、開眼したのが開創とされており、955年に空也上人が、6尺有余の開扉仏を彫刻安置したのが開基とされています。
 国の重要文化財に指定されている地蔵堂に安置されている石造地蔵菩薩座像(県指定文化財)が耳を開き、善男善女の願いを聞きいれ、厄難を逃れることができると言われることから、毎年2月13日から14日にかけての祭礼では、10万人といわれる参拝者で埋め尽くされます。
 堂内は本尊が安置されている内陣と、前面の外陣(参拝所)に分かれます。長年の護摩祈祷により柱から天井まですすで真っ黒となっており、その歴史の重さを感じます。

2.開湯伝説 「杖の湯跡」
 「弘法湯」旅館の裏側には湯村温泉開湯のいわれとなった杖の湯跡です。

3.八の宮跡
 松元寺を出て、左折すると、旅館明治があります。ここは、江戸時代、徳川家光の治世1643年に、御陽成(ごようせい)天皇の第8皇子である良純親王が流され、住居があった場所です。天皇の怒りにふれて、都を追われて甲斐の国に流されました。一説には当時「湯島村」と呼ばれていた湯村は、「島」という字があると島流しのようであるから、この時良純親王を気遣って「島」をとって「湯村」に改名したとも言われています。

4.開湯伝説「鷺の湯」
 旅館明治の南となりの共同浴場「鷲(わし)の湯」の名称の由来は次のようなものです。
 「昔この辺りは、起伏した丘や沼地で、一面に萱草の生い茂った荒野でした。あるとき一羽の鷲がどこからともなく飛んできて、日に二、三度萱草の中に姿を隠し、やがてどこかへ飛び去りました。こんなことが七日ばかりも続いて、それからのちは、鷲はさっぱり姿を見せなくなりました。人々は不思議に思って、萱草の辺りを探して見ますと、かすかに白い湯気が立ち上るところがあったので、そこを掘り返すと、熱い湯がほとばしって湧き出しました。病気の鷲が湯気につかり、全快して来なくなったことから、人たちはそこに温泉が湧くことを教えて貰ったわけで、この鷲は山の神様の現れであろうと、一社を建てて湯権現に祀り、その山を湯村山と名付けました。」

5.湯権現の伝説「湯谷神社」
 共同浴場「鷲の湯」の南の山すそにの湯谷神社には次の伝説があります。
 「むかし、鳥居の手前、鷲の湯の南に杉の大木がありました。毎年、大晦日の夜12時から元旦の朝6時までは、湯の神様が入浴するので、人は湯に入ってはいけないきまりでした。ところがある時、そんなばかな話はあるか、といって湯に入った男がいて、翌朝大杉にはりつけになって死んでいました。そののちは、さらに厳重にこのきまりが守られるようになりました。」

6.加牟那(かむな)塚古墳
 水道みちを北西に向かっていくと、道沿いに家が建ち並ぶなか、こんもりとした加牟那塚古墳があります。この付近の地名を千塚と言い、その名のとおり古くには無数の塚があったと云われます。加牟那塚古墳は、金塚、あるいは釜塚ともいわれ、高さ7mあまり、直径40mの大きさは、東日本最大といわれる姥塚(うばづか)古墳(笛吹市)に匹敵し、県内で2番目の規模です。県文化財に指定されています。
 石室は、横穴式石室で人間が歩ける大きさがあり、入口から中を見る事ができます。
 甲斐国志には「この塚の他は破壊しつくされている」とあって、古い時期に盗掘されたとみられます。古墳名称の「カムナ」は、元々は高句麗(現在の朝鮮)の渡来人の書くカタカムナ(現在のカタカナ)が語源であり、高句麗の神の名でもあります。

7.地蔵古墳
 湯村山の西の遊歩道沿いには、「地蔵古墳」と「こうもり塚」の二つの古墳があります。近辺にはたくさんの古墳があります。ここ湯村山の西側にある古墳は、6世紀頃の形態で、ぽっかり開いた入口が石室で、この奥に死者を埋葬しました。

8.万寿森古墳
 湯川を渡り、湯村山に登る手前を右折すると、駐車場の真ん中にこんもりとした、万寿森古墳があります。万寿森古墳は、6世紀前半、甲斐国最大の古墳といわれています。遠くから見ると、まんじゅうのような形をしており、その名が付いたともいわれています。古墳時代後期の横穴式石室を持つ、円墳です。江戸時代には、火薬庫として使われており、煙硝蔵(えんしょうぐら)ともいわれていました。

お土産
 お土産では「厄除け健康甘納豆」がお勧めです。厄除け地蔵尊祭りで有名な塩澤寺で祈祷をしてもらっています。納豆は数字で「7・10」と表わせ、厄「8・9」を除くという意味があります。
 
・アクセス: 甲府駅からタクシーで10分。甲府昭和インターから車で15分

お泊り

露天風呂た貸切風呂のある純和風旅館                 

湯村温泉を代表する松を基調とした日本庭園がある純和風旅館。敷地内には松を基調とした3,000坪の日本庭園が広がり、四季を彩る雅び豊かな庭園を眺められます。               

弘法大師の杖の湯跡が残る伝説の温泉。お肌によい「美肌の湯」は、弘法大師ゆかりの「厄除けの湯」とも言われています。                 

手打ちそば処や露天風呂・離れ客室もある和風旅館           

豆腐料理の宿昭和の偉大な作家 太宰治が執筆のために逗留し、小説『美少女』の中に描いた旅館が「明治」です。           

洋風本格ホテル、温泉はもちろんレストランなど施設も充実       

源泉かけ流しの6つの湯と地元食材たっぷりの料理が堪能できる温泉ホテル



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