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高尾山自然観察手帳

高尾山の樹木TREE

 山歩きをしている時「あの木の名前は何て言うんだろう」と思うことはありませんか。高尾の森にはさまざまな種類の樹木が芽生え、成長しています。森を歩きながら、この「高尾山自然観察手帳」をスマホで開いてみて、確認してみましょう。



アオキ

山で見かけたアオキ

ミズキ科
 暖地に生える高さは2mほどの常緑低木で、枝は太く緑色。山で見かけた林下で多くみられる。葉は対生し、厚く光沢があり、乾くと黒くなる特性を持つ。葉は大きいものでは20cm程度になる。形状は通常楕円形で、縁には小さな鋸歯がある。花は春先に咲く単性花で雌雄異株。雄花は黄色の葯をもつ4本の雄蕊があり雌花は緑色の子房がある。


アサダ

山で見かけたアサダ

カバノキ科
 成長に伴って樹皮がうろこ状に剥がれ落ちるのが大きな特徴。その様子から別名「蓑被り」や「ハネカワ」と呼ばれる。葉のない冬場は林内でも見分けやすい。春先4月頃に葉の展開と共に穂状の花を咲かせる。雌雄同株で花には雄雌があり、雄穂は長く垂れる。花の後にできる実は垂れ下がり、10月頃に熟す。


アブラチャン

英語学習イメージ

クスノキ科
 高尾山では沢沿いの湿ったところでよく見かけるが、樹高は、6メートルに達するものもある。葉は互生。質は薄く卵型から楕円形。全縁で葉先はとがり、葉柄は赤みを帯びる。冬になっても枯れ葉が枝に残っていることが多い。枝や実にはクスノキ科に特有の芳香があるが、どことはなしに油っぽい。早春の葉が開く前に淡黄色の花をつける。


イイギリ

山で見かけたイイギリ

ヤナギ科
 樹高は高く8-21 m、幹径50 cm程度で、樹皮は滑らかな灰緑色。葉は互生、枝先に束性し、幅広い心形で、長さ8-20cm、幅7-20cm。表は暗緑色、裏は白っぽい。縁には粗い鋸歯がある。葉柄は4-30cmと長くて赤く、先の方に1対の蜜腺がある。4-5月頃に黄緑色の花穂がブドウの房のように垂れ下がる。果実は落葉後も赤く熟して長く残り、遠目にも良く目立つ


ガクウツギ

山で見かけたガクウツギ

ユキノシタ科
 樹高は最大でも2mほどの落葉低木。枝は赤紫色から黒紫色で、葉にはつやがある。葉は単葉で対生で長楕円形または楕円形。5月 - 7月にかけて淡黄緑色の花をつける。両性花と花びらに見えるのは装飾花のガクである。高尾山では日当たりのよい山道沿いなどでは多くの花数が見られることがある。別名コンテリギ


カゴノキ

山で見かけたかごのき

クスノキ科
 常緑性の高木で、大木になる。高さ15m、胸高直径は60cmに達することもある。幹の樹皮は淡い灰黒色だが、互いに間を開けてその跡は白くなるので、樹皮全体を見ると鹿の子(かのこ)模様となることから名がついた。雌雄異株。花芽(蕾)は球形で、葉腋に3〜4個つく。柄は無い。9月に咲く。小仏近くの宝珠寺には東京都の天然記念物に指定されている大木がある。




カツラ

山で見かけたカツラ

カツラ科
 高さは30mほど、樹幹の直径は2mほどにもなる落葉高木。葉は4~8cm位のハート型で、しおれるとキャラメル、綿あめ、あるいは醤油煎餅のようなの匂いがする。花期は3から5月で、雌雄異株である。雌花は細長い角のような紅紫色の雌蕊が3から5個突き出す。雄花は紅紫色の細長い雄蕊を十数本ぶら下げる。秋には黄色く紅葉する。高尾山では植林が見られる。


ガマズミ

山で見かけたがまずみ

スイカズラ科
 樹高2-3m程度となる。葉は対生し、細かい鋸歯がある卵型から広卵形で10cm程度。表面は脈上にだけ毛があるが、裏面では腺点や星状毛などが多い。花期は5-6月。白い小さい花の花序を作る。晩夏から秋にかけて3-5mm程度の果実をつけ、食用となる。果実は赤く熟し、甘酸っぱく高尾山では野鳥の好物となる。最終的に晩秋の頃に表面に白っぽい粉をふく。


キブシ

山で見かけたキブシ

キブシ科
 落葉低木で、樹高は3m、ときに7mに達するものもある。花は、3-5月の葉が伸びる前に淡黄色の総状花序につける。長さ3-10cmになる花茎は前年枝の葉腋から出て垂れ下がり、それに一面に花がつくので、まだ花の少ない時期だけによく目立つ。キブシという和名は、果実を粉にし染料の原料である五倍子(ふし)の代用として使ったことによる。


クヌギ

山で見かけたクヌギ

ブナ科
 雑木林の代表的な木で、樹高は15-20mになる。樹皮は暗い灰褐色で厚いコルク状で縦に割れ目が出来る。葉は互生、長楕円形で周囲には鋭い鋸歯が並ぶ。新緑・紅葉が美しい。雌花は受粉すると実を付け翌年の秋に成熟する。実は他のブナ科の樹木の実とともにドングリと呼ばれる。ドングリの中では直径が約2cmと大きく、ほぼ球形で、半分は椀型の殻斗につつまれている。


クロモジ

山で見かけたクロモジ

クスノキ科
 高尾山では尾根筋など乾き気味のところに多く見かける落葉低木で、茎は高さ5メートル程度まで成長する。若枝ははじめ毛があるが次第になくなり、緑色のすべすべした肌に、次第に黒い斑紋がでることが多い。雌雄異株。花は黄緑色で、春に葉が出るのと同じ頃、葉脇から出た散形花序に咲く。果実は液果で10月頃に黒熟する。葉や枝には芳香がある。


コナラ

山で見かけたこなら

ブナ科
 高尾山では代表的な雑木林に多く見られる落葉樹。葉は長楕円型で縁に尖った部分がある。花は4 - 5月、若葉が広がる時に咲き、秋にドングリが熟す。秋に葉が枯れた時点では葉柄の付け根に離層が形成されないため葉が落ちず、いつまでも茶色の樹冠を見せる。「コナラ」の名は、もう一つの日本の主要なナラであるミズナラの別名であるオオナラ(大楢)と比較してつけられた




サワシバ

山で見かけたサワシバ

カバノキ科
 普通は沢沿いに生育する落葉高木だが、高尾山では尾根筋にも見られる。高さは15mにもなる。樹皮は淡緑灰褐色で菱形の浅い裂け目ができる。葉は互生し、長さ6-15cmの広卵形で、基部は深いハート型をしている。側脈は15-20対。4-5月、長さ約5cmで緑黄色の雄花、雌花が垂れ下がって咲く。果穂は長さ4-15cmの狭長楕円形。果苞は長さ約5mmの堅果を抱く。


シイ

山で見かけたシイ

ブナ科
 常緑広葉樹林の代表的な樹木だが、高尾山ではカシ類に交じって少し見られるほど。高さ25メートル、径1.5メートルに達する高木で、樹皮は黒褐色。小枝は細かく分かれ、半球状の樹冠をつくる。冬芽は扁平、葉は左右2列に互生し、表面は濃緑色で裏面は銀灰色から銀褐色に変わり、光沢が強く、全縁または上半部に鈍い鋸歯がある。5月下旬、雄花、雌花ともに穂状花序となり、当年枝の葉腋に斜め上向きにつく。雄花序はクリの花に似てよく目だち、強い臭気がある。


シラキ

山で見かけたシラキ

トウダイグサ科
 高尾山では落葉樹林内に見かける落葉小高木。高いものは5メートルに達する。葉は互生し、倒卵状楕円形または広卵形で全縁、長さ12〜16センチメートル。裏面は白緑色を帯び、狭長の托葉がある。6月ころ、枝先に長さ約10センチメートルの細長い総状花序をつくり、黄白色の小さな雄花と雌花を開く。果(さくか)は三角状球形で、径約1センチメートル。名は材の色に由来し、白い材は細工物や薪炭材にする。


タマアジサイ

山で見かけたタマアジサイ

ユキノシタ科
 山で見かけた沢沿いに自生しており8月から9月に淡紫色の花を咲かせる。葉や幹など全体に短毛が生えており、ざらつく。葉に葉柄があり、枝に対生し、葉の形は楕円形から倒卵形で、大きいもので長さ25cm、幅14cmほどになる。縁は細かい鋸歯状になり、葉の表面、裏面ともざらつく。装飾花は大きさ20から32ミリで白色、両性花は大きさ2から5ミリで紫色であり、花序は直径10から15センチである。


ダンコウバイ

山で見かけたダンコウバイ

クスノキ科
 落葉低木。成木は樹高2.5-6 m、幹の直径約18 cm。春、芽吹く前に黄色い小さな花を枝に無数に付ける。雌雄異株で、3-4月の花が展開する前に小さな黄色い花を散形花序につける。種子に強い香りが有り檀香梅と書く。葉も揉むとわずかに芳香がある。檀香はビャクダンの漢名で、材に香りがあるためとも言う。秋、種子は淡褐色-褐色で、葉は黄葉し落葉する。


ツクバネウツギ

山で見かけたツクバネウツギ

スイカズラ科
 落葉低木。樹高は2mになり、密に分枝する。若い枝にはわずかに毛があり、しばしば赤みを帯びる。葉は対生、葉身は広卵形または長楕円形で先に急に狭くなる。縁は粗く不揃いな鋸歯が、上半分にある。両面に毛がある。枝の先にクリーム色の花を2個ずつつける。果実の先に萼片5枚が花冠基部にあり、この形が羽付きの羽根のように見えるのでこの名がある。


テイカカズラ

山で見かけたテイカカズラ

キョウチクトウ科
 名前は藤原定家が慕っていた皇女が、病のために亡くなった後、蔦葛(つたかずら)となって、皇女の墓石にまつわりつく、という謡曲の「定家」に由来する。成木になると樹皮から離れて枝を空中に伸ばし、葉は大きく黄緑色になる。葉は長さ1cm(幼木)から数cm(成木)あり、質感は様々で、一般に幼木の方が革状で光沢がある。特に幼木の間は地上をはいまわり、地面に葉を並べる。


ネムノキ

山で見かけたネムノキ

マメ科
 樹高8mほどに育つ落葉高木。高尾山では枝は横に張り、夏には羽状複葉を広げて心地よい緑陰をつくり見かけるが、春先は、ほとんど枯れているのかと思うほどに葉が開く時期が遅い。春6月から7月に、枝先に淡紅色の長い雄しべをもつ花が20ほど集まって咲く。ネムノキの名は夜になると葉が閉じることに由来する。ネムノキの就眠運動は、葉の付け根の膨らんだ部分(葉枕)の内部圧力を変化させる仕組みにより葉を開閉する。




ハナイカダ

山で見かけたハナイカダ

ミズキ科
 高尾山では特に沢沿いに多く見られる落葉性の低木で、高さは1.5m-3m程度、太くはならない。若い枝は緑色で無毛、あまり木質でない。葉は互生、楕円形で長さ6-12cm、楕円形で浅い緑色で柔らかい。その縁は低い鋸歯になっており、それぞれの先端が少し突き出す。雌雄異株。異色なのは、葉の上に花を咲かせ、実をつけること。葉身を筏(イカダ)に見立て、その上に乗る花や実を筏を操る人に見立てて、ハナイカダと呼ばれています。


ハリギリ

山で見かけたハリギリ

センノキ科
 枝は灰色を帯びて太く、大きな棘と皮目がある。葉柄は長さ10 - 30 cm、葉身は掌状に5 - 9裂し、表面は無毛、裏面は葉脈上に毛がある。裂片の縁には、不整の細鋸歯がある。カエデのような姿で径10 - 25 cmと大きく、天狗の団扇のような形をしている。そこから「テングウチワ」と呼ばれることもある。7 月から 8月頃には、黄緑色の小花が球状に集まったものが傘状につき、藍色の丸い果実を結ぶ。


ヒノキ

山で見かけたヒノキ

ヒノキ科
 日本特産の常緑針葉樹。スギとともに広く高尾山に植林されている。常緑針葉高木で、樹幹は直立する。枝条は細く水平に開出し、卵形の樹冠を形成し、樹冠の先端は円形を呈する。樹皮は灰紫褐色、赤褐色で、縦に裂け薄く剥がれる。似たスギの樹皮と較べるとヒノキは巾が広い。和名ヒノキは「火の木」の意味で、大昔の人がこの木をこすり合わせて火を出したことからきている。


フサザクラ

山で見かけたフサザクラ

フサザクラ科
 落葉高木。山で見かけた渓流沿いで見かけるが、このため「タニグワ」の別名がある。花は両性で、花被はなく、多数の雌蕊と雄蕊からなる。フサザクラは早春の頃、葉が出る前に花弁のない花を開花し、樹全体が赤くなり、この時期に目立つ。和名は樹皮がやや桜に似て、多数の雄しべが垂れ下がって春に咲くことからこの様子をサクラに見立てた名。果実は偏平で周囲が翼状になり、風で飛ぶ。 葉の形は先端のとがった円形で不揃いな鋸歯があり、葉柄は長く互生する。


ホオノキ

山で見かけたホオノキ

モクレン科
 落葉高木。大きくなる木で、樹高30 m、直径1 m以上になるものもある。樹皮は灰白色、きめが細かく、裂け目を生じない。葉は大きく、長さ20 cm以上、時に長さ40センチにもなる大きな葉は「ホオバ」と呼ばれ、若葉はカシワのように食べ物を包むのに使われた。新緑の頃に咲くクリーム色の花は、花弁が9枚で直径は15〜20センチほど。開花期に木の近くにいくと、ほのかに甘い香りがする。


マタタビ

山で見かけたマタタビ

マタタビ科
 蔓は、若いうちは茶褐色で成長と共に黒っぽい紫がかった茶色になる。葉は蔓状の枝に互生し長い葉柄があり2から7cm、形は楕円形で、基部は円形まれに浅い心形、質は薄い。縁は鋸歯がある。6月から7月に径2cmほどの白い花を咲かせる。花期に、葉の表が白くなる木全体に揮発性のマタタビ酸を含み、発情期の尿に似たこの臭いがネコ科動物の中枢神経を麻痺させ、酩酊状態にさせることで知られる。


ミズキ

山で見かけたミズキ

ミズキ科
 落葉高木。樹高は10-15m。枝を扇状に四方に広げる。若枝は紫紅色で、はじめ細かい毛をもつが、のちに無毛になる。葉は長さ2-5cmの葉柄をもって互生し、広卵形から楕円形で縁は全縁、先はとがる。花期は5-6月で新枝先に散形花序を出し、白い小さな花を密生させる。花弁は4枚で、雄しべも4本である。和名の由来は、樹液が多くて春先に枝を折ると水が滴り落ちることからきている。階段状に伸びていく枝ぶりが特徴的である。


メグスリノキ

山で見かけたメグスリノキ

カエデ科
 落葉高木。日本国内のみに自生する。主に、標高700メートル付近に多く見られる。大きいものでは、樹高10mに達する。雌雄異株。葉は長さ5から13cm程度で、三枚の小葉からなる複葉。カエデの仲間ではもっとも紅葉の美しい部類に属する。和名は、戦国時代頃から樹皮を煎じた汁を目薬として使用すると眼病などに効用があるとする民間療法があったことに由来する。


メタセコイア

山で見かけたメタセコイア

スギ科
 落葉針葉樹。樹形は針葉樹の仲間らしく端正で美しい。葉は枝に対生して複葉に見える。早春に葉の展開に先立って枝先に雄花を多数咲かせる。雌花は緑色で、球果を形成し、秋には紅葉し、短枝ごと落下し種子を散布する。当初は日本を含む北半球で化石として発見されるのみで、絶滅した植物と考えられていたが、1946年に中国四川省(現在の湖北省利川市)で現存していることが確認された。




モミ

山で見かけたモミ

マツ科
 常緑針葉樹で高木となる日本特産種。高尾山では尾根すじなど乾いたところに多く見られる。樹高は40mにも達するものもある。モミ属全般に樹皮が白っぽい灰色である樹種が多いが、モミの樹皮はかなり茶色がかっている。樹皮は壮齢で灰色、老木で暗灰色、鱗片状に浅く割れて剥げる。
材は柔らかいため、柩などに用いられる。環境の変化に敏感とされ、圏央道の排気ガスの影響が懸念されている。


モミジイチゴ

山で見かけたモミジイチゴ

バラ科
 高尾山では林下で茎や葉に刺がまばらに生える落葉高木。茎の刺はほぼ開出して曲がらず、葉柄や枝の刺は曲がる。葉柄は長い。葉身は長さ7〜15pの卵形〜広卵形、掌状に5裂し、基部は深い心形。モミジの葉に似るので、モミジイチゴの名がある。4月ごろ、冬芽からのびた短い枝に、白い花を1個、下向きに付ける。果実は葉の下につき、直径1〜1.5p、6月〜7月に橙黄色に熟し、食べられる。酸味が少しあって美味しい。


ヤブツバキ

山で見かけたヤブツバキ

ツバキ科
 常緑高木。照葉樹林のなかで高尾山では普通にみられる代表的な木。高尾山では2月頃から赤い花、花径5〜8センチくらいの筒状の5弁花を咲かせる。雄しべはたくさんある。離弁花だが花弁のつけ根と雄しべが合着しているので、花びら1枚ずつは散らないで1花ごと落花する。高尾山ではメジロなどが蜜を吸いに集まっている。種子からは椿油がとれる。


ヤマアジサイ

山で見かけたヤマアジサイ

ユキノシタ科
 花の咲き方は中心部に小さな花が集まって咲き、 その周りを花弁状のガクである「装飾花」が取り囲むように咲く。同じ咲き方のガクアジサイよりも花が小さく小型でガクアジサイと比べ、花の色が多様性に富む。葉質は薄く光沢がなく、小さく、長楕円形・楕円形・円形など形はさまざまである。枝は細く、樹高1メートル程度である。別名サワアジサイと言われるように高尾山では沢沿いなど湿ったところに多く見られる。


ヤマザクラ

山で見かけたヤマザクラ

バラ科
 日本の野生のサクラの代表で高尾山では自生のほか植栽されている。若葉と同時に開花するため、ソメイヨシノと比べると、若葉の赤味が混ざって見える。サクラの仲間では寿命が長く、ときに樹高30mを超える大木になる。樹形は箒形で、ケヤキに似る。また、葉の光沢も個体によって程度が異なる。秋の紅葉はソメイヨシノなどの園芸品種よりも総じて美しい。


ヤマハギ

山で見かけたヤマハギ

マメ科
 落葉低木で、高尾山では林道や林の縁など、あちらこちらで比較的よく見かける萩。高さ1から2mに株立ちして葉を茂らせ藪状になり、ほとんど枝垂れない。葉は三出複葉で、長い葉柄があり、互生する花は8〜9月に葉腋から、葉より長い総状花序を出し、マメ科独特の蝶形で紫色の両性花を対にしてつけるが、小さいのでそれほど目立たない。秋の七草でもあり、昔から日本人に愛された花の一つ。


ヤマボウシ

山で見かけたヤマボウシ

ミズキ科
 高さ5〜10メートル。幹は灰褐色。葉は対生し、楕円形または卵円形で長さ4〜12センチ、全縁でやや波打つ。花は6〜7月に、淡黄色で小さく、多数が球状に集合し、その外側に大形白色の一見花に見える4枚の総苞(そうほう:つぼみを包む葉)を5月から7月頃に広げ、秋には葉が紅葉し、実を付ける。同じ属のハナミズキに比較すると開花時期が遅く、葉が出たあとに枝先に開花するので華やかさは少ない。




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高尾山自然観察手帳

高尾山は植物研究者にとって最良のフィールドとなっており、高尾山で初めて発見された植物もたくさんあります。