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高尾山自然観察手帳

留鳥一年中観察できる鳥たち

 高尾山ではこれまで約140種類もの野鳥が記録されています。日本で普通にみることができる野鳥が約150種類といいますから、何とこんな低山の高尾山でなぜと驚いてしまいます。
 


トビ

山で見かけたトビ

 タカ目タカ科。全長 60〜65cm。飛翔中に見せる長い翼と,先が角張り,くの字に切れ込んでいることもある尾羽が特徴。全身褐色だが,頭部と頸は色が淡く,眼のまわりから耳羽が黒褐色。また,頭部や胸などの羽軸は黒味が強く,縦縞模様をつくる。翼も各羽の羽軸が黒褐色で縁の色が淡く,不明瞭なうろこ模様になっている。
 両翼を広げて上昇気流にのり、羽ばたかないで輪を描いて飛ぶことが多いが、ゆっくりした羽ばたきと滑翔を交互にして直線的に飛ぶ場合もある。ネズミの死体など獲物をみつけると、翼を左右に傾けて急降下し足でつかむ。ピーヒョロロと口笛のような声で鳴く。


オオタカ

山で見かけたオオタカ

 全長50cm(オス)。翼開長106cm(オス)。成鳥では頭から背、尾、翼の上面は灰黒色。腹は白色で細い横斑が全体にある。飛んだときの翼は短めで、先端には丸みがあり、尾はやや長め。はばたきとグライディングを交互に行なって、直線的に飛行するのが普通。若鳥は背面が褐色で、腹には黒褐色の縦斑がある。
 オスよりメスの方が体は大きいのがタカ類の共通で、体の大きさにあった狩りができること、巣で卵や雛を守るメスが大きい方がよりしっかり守れる、といった意味があるよう。オスはスズメなど小型の小鳥からハト大あたり、メスはムクドリ大からカラス大までの鳥を捕らえて餌にしている。。「キィーッ キッキッキッ」あるいは「カァッ カッカッカッ」などと鋭い声で鳴く。


ツミ

山で見かけたツミ

 ツミは日本にいる鷹の仲間の中で最小の種類で、主に小鳥を捕らえて食べる鷹です。オスは瞳の色が赤く全長約27cmでヒヨドリ大、メスは瞳の色が黄色く全長約30cmでハト大です。
 ツミの名の由来は、「スズメのような小鳥を狩ることから」や「スズメのように小さいから」等のことで「雀鷹」と呼ばれ、それがススミ、スミ、ツミに変わったよう。「キィーキキキキキッ」 との特徴ある節回しの声を出す。最近は、社寺林、雑木林、公園、街路樹など比較的人の生活に近い環境の大木に巣をつくる例が多く見られている。


コジュケイ

山で見かけたコジュケイ

 コジュケイは本州から九州にかけての積雪の無い地域に住むキジ科の野鳥。元々日本に居た在来種ではなく、1919年に東京都と神奈川県に狩猟鳥として放鳥されたものが繁殖し、広く分布するようになった。
 漢字では「小綬鶏」と表記され、名前の由来は古代の中国の役人が服につけていた「綬」という組み紐に、模様が似ているからだとか。全長は鳩と同じくらいの27p程で、全体にずんぐりとした形。顔は赤茶色で頭部と胸は青味のある灰色です。翼には黒褐色の斑紋がある。チョットコイという大声を繰り返す(繁殖期)


ヤマドリ

山で見かけたヤマドリ

 キジ科の鳥。翼長21?22cm。雄の尾はひじょうに長い。頸部,背面は普通,赤銅色だが,羽色によっていくつかの亜種が区別されている。日本固有種で本州以南に分布。低山の林に留鳥としてすみ,地上で植物の種子,昆虫などをあさる。
 ヤマドリの雄は、繁殖期には翼をふるわせてさえずりの代りにしていることが知られています。これを「母衣打ち」と呼んでいます。「ドドド・・・」と聞こえる重低音の響きは、近くで聞くとお腹に響きます。くさむらのくぼみ等に営巣。


キジバト

山で見かけたキジバト

 キジバトは、スズメやカラスについで身近な野鳥の一つです。体長は約33cmの中型の鳥で、「デッデー・ポッポー」という独特の節回しで鳴きます。本州から沖縄まで留鳥として分布するが、北海道では夏鳥。俗に「山鳩」とも呼ばれているが、平地農村地帯や住宅の庭先、公園などでも見られる。
 羽縁が赤褐色で、ウロコ状に見える模様がキジのメスの上面に似ているのが和名の由来。おもに地上に落ちた草の種子、木の実を拾って食べる。木の枝に粗末な巣をつくり、2卵を産む。雌雄が交代で抱卵する。都会の街路樹にも巣をかけるが、造巣中または抱卵中になんらかの妨害を受けると、巣を捨てることが多い。




モズ

山で見かけたモズ

 モズ科の鳥。翼長8.5cm。頭頂,後頸は赤褐色で,翼は灰黒色。雄は顔に黒い過眼線をもつ。朝鮮半島,中国,日本などで繁殖。日本では北海道から九州まで全国に分布し繁殖する。寒冷地の個体は、冬季に平地や暖地に移動する。低地から山地のやぶに巣を作り,一年中群は作らない。
 昆虫,ミミズ,ネズミ等を食べ,捕らえた獲物をとがった枝に刺す習性があり,〈モズのはやにえ〉として知られる。秋にはキーッ,キイキイと高く鳴く。よくカッコウに托卵される。和名の由来は、様々な鳥の鳴きまねをすることから「百舌(モズ)」と名付けられた。


カワガラス

山で見かけたカワガラス

 カワガラス科の鳥。水辺に棲み、カラスのような色をしているところから、名付けられたのですがカワガラスはカラスの仲間ではありません。翼長10cm。ミソサザイに似るがはるかに大きく,全身暗褐色。
 アジア東部に広く分布し,日本では全国の渓流や山地の湖にすむ。カワガラスは水面すれすれに低く飛び,潜水して石などに付着しているトビケラやカワゲラなどの水生昆虫やその幼虫、小さな魚を捕らえて食べます。鳴き声は「ピッピッ」といった感じのもので飛行しながら鳴きます。巣は滝の裏側や岩のくぼみにコケなどで作る。


ウグイス

山で見かけたウグイス

 全長15.5cm(オス)。細身でオス・メス同色だが、メスは2cmほども小さいのが普通。日本では全国の平地から山地の林やその周辺にある藪で繁殖する。体色は、背中がオリーブ褐色で、腹面は白色、全体的に地味である。食性は雑食だが、夏場は主に小型の昆虫、幼虫、クモ類などを捕食し、冬場は植物の種子や木の実なども食べる。さえずりは「ホーホケキョ、ホーホケキキョ、ケキョケキョケキョ……」、地鳴きは「チャッチャッ」。
 さえずるのは縄張り内を見張っているオスで、「ホーホケキョ」が他の鳥に対する縄張り宣言であり、巣にエサを運ぶメスに対する「縄張り内に危険なし」の合図でもある。平地にて鳴き始める季節が早春であることから春告鳥(ハルツゲドリ)の別名がある。


エガラ

山で見かけたエガラ

 体長は約14 cm、翼開長は約16 cm。黒いくちばしは小さく、首が短く丸い体に長い尾羽がついた小鳥である。目の上の眉斑がそのまま背中まで太く黒い模様になっており、翼と尾も黒い。肩のあたりと尾の下はうすい褐色で、額と胸から腹にかけて白い。平地にも山地にもすみ、繁殖期にはコケを集めて木の枝に球形の巣をつくり、外側にクモの糸でウメノキゴケを貼りつけ、内部には鳥の羽兎の毛などを敷く。雌雄同形同色で外観上の区別はできない。



ヤマガラ

山で見かけたヤマガラ

 ヤマガラは全長14cm、シジュウカラとほぼ同じくらいの大きさの可愛らしい小鳥。秋から冬にかけての寒い時期には、他のカラ類(シジュウカラ、ヒガラ、コガラなど)やエナガ、コゲラなどと群をつくる。日本のカラ類の中では大柄で、シジュウカラやコガラと比べると大きく、存在感がある。意外と身近な野鳥だが、生息しているのは日本、台湾、朝鮮半島、中国のごく一部。黒い頭と喉、オレンジ色のコントラストが印象的な色彩から、「山吹色のお腹のカラ」=ヤマガラと名前が付けられた。




シジュウカラ

山で見かけたシジュウカラ

 全長14.5cm。体重は14gくらい。胸に黒いネクタイのような模様を持った身近な小鳥。
 「ツツピン ツツピン」と鳴いて、鳥の中でもいち早く春を告げるシジュウカラは、市街地でもおなじみの鳥。シジュウカラやヤマガラ、ヒガラなど「カラ」のつく野鳥をカラ類と呼ぶ。シジュウカラは、そのカラ類の中で最もよく見られる鳥である。繁殖期には、主に昆虫類を捕食し、秋にはミズキやハナミズキ、ハゼノキ、松ぼっくりなどの実も食べる。越冬期は、地上で採食することも多い。


メジロ

山で見かけたメジロ

 ツバキや梅、桜など冬から春にかけて咲く木の花の蜜を好み、花粉を運んでくれる鳥。メジロの名前の由来となった目の周りの白い縁取りが大きな特徴。年間を通して同じ場所に生息する留鳥のメジロは、一年中つがいで生活しているものが多く、縄張りをもって一定の地域内で暮らす。一方、季節移動する漂鳥のメジロは、冬には小さな群れをつくる。からだのあざやかな黄緑色から、ウグイスと間違える人もいます。(ウグイスは主に昆虫食で、滅多に人前には出てこない。)


フクロウ

山で見かけたふくろう

 翼長32cm。背面は黒褐色で黄白色や白色の斑紋が散在。ユーラシア大陸中部に分布。日本では全国の低地、低山の林に留鳥としてすむ。
 昼は梢の葉陰などで眠り,夜行性。ネズミや鳥、トカゲ、カエル、虫を食べ、羽の音をたてずに飛び回り、獲物を捕食し,不消化の骨や毛はペリットとしてはき出す。木の穴を巣とし,春,白くて丸い卵を産む。繁殖期になるとオスもメスもホッホーと太い声で鳴く。巣は大きな木の穴につくることが多く、屋根裏、神社の縁の下につくることもある。ゴロスケ,ホッホーと太い声で鳴く。


カワセミ

山で見かけたカワセミ

 全長17cm。くちばしは体の割りに長い、魚取りにすぐれた鳥。日本では全国にすんでいる。巣は土崖に横穴を掘ってつくる。池、川など淡水域の水辺で餌をとるのが普通だが、離島などでは海岸で餌をさがすものも少なくない。
 渓流や池沼などを見下ろす木の枝に静かにとまっていて、水中の獲物をとったり、水面をかすめて一直線に速く飛んだりしています。その美しさから「空を飛ぶ宝石」と言われている。漢字では川蝉、魚狗など数種類の表記がありますが、宝石の「翡翠(ひすい)」という字を書いて「カワセミ」と読まれることも。


アカゲラ

山で見かけたアカゲラ

 全長24cm。黒色・白色・赤色の模様をした中型のキツツキ。日本産キツツキの中では最も良く知られており、平地から山地の林に生息している。北日本では普通に見られるが、九州・沖縄には分布していない。
 翼の付根近くに大きな白斑があるのが特徴。黒色の翼には小さな白斑が多数出、飛んだ時に目立ちます。オスは後頭が赤く、メスは黒い。顔から体下面は白く、肩羽に逆「八」の字に見える大きな白斑がある。幼鳥は雌雄ともに頭頂が赤い。脚は長くはないですが指は長く、太く、爪もしっかりしています。


コゲラ

山で見かけたコゲラ

 全長15cm。日本で見られる一番小さなキツツキ。背はこげ茶色に白い点模様(白点が続いて線に見えることも多い)が沢山あります。オスとメスはほぼ同色だが、オスの後頭部には小さな赤い模様がある。1羽かペアで活動し、木から木へと移動しながら、虫やクモを捕って食べ、上手に舌を使ってサクラの花の蜜も吸う。
 繁殖期には「ギィー、キッキッキキキ・・・」と鳴き、冬には木の幹に巣食う虫を捕らえるために穴をあけることも。コロロロロと木をたたく行動(ドラミング)を行なう。


キセキレイ

山で見かけたキセキレイ

 キセキレイは漢字では「黄鶺鴒」と書き、その名の通り黄色が目印のスマートな鳥です。頭から背中にかけては灰色で下腹部は美しい黄色、そして目の上には白い眉班があります。水辺にいることが多く、常に尾羽を上下に振りながら歩き、水生昆虫などを捕まえて食べています。
 雌雄はほぼ同色ですが、お腹の黄色は夏の繁殖期になるとさらに鮮やかになり、雄は喉が黒くなります。河原の石を尾で叩いているように見えることから「石たたき」の別名があります。「チチン、チチン」と金属的な声で鳴きます


ムクドリ

山で見かけたムクドリ

 全長24cm。全身は黒味のある褐色で、頭は灰色がかった黒褐色。目の周囲から頬にかけて不規則な白斑があります。くちばし、足は黄色です。飛んだときに、腰の白さが目立ちます。地上を歩いて餌を探すことが多く、その時にはくちばしを草株の間に入れて開くことで、地面や草株にひそむ虫を探しています。「リャー リャー」とか「キュリリッ」といった声を出します。
 夕方になると集団で樹木にねぐらを形成し、朝になると小規模の群れとなって餌を探しに散り散りになっていく。春から夏にかけ繁殖期に入ると集団には加わらず、つがいで樹洞やビルの隙間に営巣するようになる




カケス

山で見かけたカケス

 カケスは翼の部分に鮮やかな青と白と黒、褐色などで彩られた美しい模様を持つ鳥ですが、「ギャーギャーギャー」と耳障りな鳴き声をあげたり、他の鳥の声真似をするという特徴を持つ事でも知られます。
 オスとメスは同色で、体は茶色っぽく、頭には白と黒のまだら模様がある。翼には黒と青と白の模様が入り、飛んでいるときによく目立つ。平地から山地のうす暗い森林で暮らし、繁殖期以外は小さな群れをつくって生活している。木の上や地面を大きく跳ねるように歩きまわり、虫やトカゲ、木の実を食べる。木の隙間や土に埋めて隠すように蓄える習性がある。


ヒヨドリ

山で見かけたひよどり

 全長27.5cm。全身が灰色の羽毛に覆われていますが、頬に褐色の部分があるのが特徴です。「ピーヨ!ピーヨ!」と大きな声でよく鳴くことから「ヒヨドリ」の名が付いたとされています。花の蜜や果実が大好物です。
 日本ではどこでも見られ、一般的なヒヨドリだが、世界的にみると分布は日本周辺に限られている。以前は越冬のため韓国などから渡ってくる「冬鳥」でしたが、次第に環境順化し、いつの間にか一年中国内に留まる「留鳥」へと変わってきました。


夏鳥4月下旬から8月下旬


サシバ

山で見かけたサシバ

 サシバとは不思議な名前ですが、漢字で書けば「差し羽」となるようです。喉の下のところに生えている羽根がちょうど弓矢の羽根を刺しているように見えるからだそうです。
 本種は鷹の渡りをみせる代表的な鳥である。秋の渡りは9月初めに始まり、渡りの時には非常に大きな群れを作る。その習性は、主にカエルやトカゲ、ヘビなどを主食にしていますがときには野鳥も捕まえます日本では主に夏鳥として春に飛来し、両生類や爬虫類を主食とする。水田で狩りをし、その周囲の林に営巣することが多い。「ピックイー」と鳴くその声を、「キッスミー」と聞く人もいる。


ツツドリ

山で見かけたツツドリ

 全長33cm、翼を広げると56cm。ホトトギスと姿、形は大変よく似ていますが、ホトトギスより一回り大きい。頭から背・翼の上面は灰色で、腹は白く、黒い横縞がはっきりしています。
 漢字では「筒鳥」と書きます。「ポポッポポッ」という抑揚の無い二声の鳴き声が、竹筒の端を手のひらで叩いたような音であることから、そう名付けられたそうです。この鳴き声から、ポンポンドリの異名もあります。アジア大陸に広く分布していて、日本では夏鳥として四国以北、本州、北海道に渡来し、山地に棲息します。


ホトトギス

山で見かけたホトトギス

 全長16〜70センチメートル。六つの亜科に分けられ、形態はかなり多様であるが、多くの種はやや長いくちばし、短い足、比較的長い尾をもち、灰色や黒の羽色をしている。全世界に広く分布し、森林から半砂漠の環境にまですんでいる。
 日本では夏鳥で、九州以北で繁殖しますが、北海道では南部に少数が生息します。ホトトギスは主にウグイスの巣に卵を産込み、ヒナを育ててもらいます。そのため、ウグイスが生息している場所に渡来します。


ツバメ

山で見かけたツバメ

 全長約17pで、背が光沢のある青黒色で、額と喉が赤く、腹面の白い鳥。昆虫類を空中で捕食します。特に、カ、ハエ、アブ、ユスリカ、ガ、シロアリなど、人間や作物に害を与える昆虫を1日に数百匹も捕食するため、昔から『益鳥』として重宝され、「ツバメが巣を作る家は縁起が良い」などと言われてきました。
 翼が大きく発達しており、飛行に適した細長い体、細長い尾は二股に割れており、燕尾服などはこれに由来する。飛行能力に大変優れ、最高時速200q以上、1日約300qも移動できる航続力を備えているともいわれています。


イワツバメ

山で見かけたイワツバメ

 イワツバメの大きさは全長15p、翼開長(翼を広げたときの大きさ)は30pほど。ツバメの仲間では小型サイズ。頭から背、翼の上面、尾の上面などは黒色。喉から胸、腹など下面は汚れた白色。腰は四角形に白色をしていて飛んだ時に目立ちます。
 くちばしも黒色なので、全体的にモノトーンな色合い。尾は魚のように浅いV字状になっており、ツバメよりも短い。「チリリッ」あるいは「ジュピッ」などと聞こえる声で、飛びながら早口で鳴いています。


クロツグミ

山で見かけたクロツグミ

 主として日本でそれも山間部で繁殖する夏の鳥です。ツグミの仲間の中では最も小さいのです。「キャァ キャァ キョコ キョコ キーキ キーコ キーコ」などと大きな明るい声で鳴き、これを何度も繰り返してさえずります。
 クロツグミのメスは、オスと異なり頭部から背中は茶褐色で、喉から胸部、腹部にかけては白で、明瞭な黒褐色の斑が多く入っています。また、オスでは目立つ黄色のアイラインですが、メスではそれほど目立ちません。嘴は黄色ですが、若干褐色味を帯びています。ミミズや昆虫類などを地上で探し、餌にしています




キビタキ

山で見かけたキビタキ

 全長13.5cm。スズメより小さく、オスはカラフルですが、メスは地味な暗緑色をしています。夏鳥としてほぼ全国で繁殖しています。初夏までの繁殖期にはオスがよくさえずるので、そのピッコロのような歌声を頼りに探すことができます。オスはなわばりの宣言と、メスの関心を引く「さえずり」を明るい声でピヨピ、ピッピキピピッピキピなどと、短い前奏の後に早口で繰り返す。
 夏鳥としてほぼ全国で繁殖しています。木の穴、建物のすき間などに巣をつくります。「新緑の森の歌姫」などと形容されているキビタキの英名「ナルシサス・・・」は、水面に映った自分の美しさに見とれて黄色が鮮やかな水仙になったギリシャ神話の美少年ナルシストからくる。


オオルリ

山で見かけたオオルリ

 飛んでいる虫が主食で、4月頃広葉樹林に飛来する夏鳥。光沢のある鮮やかな瑠璃色と美声が人気の鳥。春と秋の渡りの時季には庭や公園にいることもある。オスは山の斜面の木の梢でさえずることが多く、春の渡り途中でも高木の上で見かける。さえずりはキビタキよりのびやかで、キビタキのピッコロに対してフルートに例えられる。日本三鳴鳥の一つ。
 渓流沿いの林や湖、湿地に面した森など、水辺を好む。オスの上面は目が覚めるような瑠璃色で、頭の頂は淡い。顔から胸は黒く、胸以下の下面は白い。メスは、オリーブ褐色で、胸は褐色、尾羽は赤褐色、下腹は白い


センダイムシクイ

山で見かけたセンダイムシクイ

 全長12.5cm。スズメよりずっと小さいムシクイの仲間の鳥。日本では夏鳥として渡来し、北海道から九州までの山地、低山地の、主に落葉広葉樹林に生息しています。体の背側は暗緑色で、腹側は灰白色。白色の細い眉斑の他、頭頂に細長い淡色斑があります。林の中の地面や土手のくぼみなどに枯れ草や落ち葉を集めて、入口が斜めに空いたボール状の巣をつくり、1回におよそ5〜6個の卵を産む。
 さえずりは目立つ場所に止って行なうことよりも、樹中の枝にとまりながら、あるいは移動しながら歌うことが多い。5月から6月頃、繁殖期になるとオスは「チョチョビィー」とさえずり、それが「焼酎一杯ぐぃ〜」とも聞こえる。


冬鳥11月中旬から3月中旬

コサギ

山で見かけたコサギ

 長い首を伸ばしたまま飛ぶトキ、ツル、コウノトリの仲間と違い、サギ類は縮めて飛ぶ。コサギはいわゆる「シラサギ」といわれるグループのなかの一種で、全身が真っ白の美しい鷺です。
 関東地方でよく見られるシラサギはダイサギ、チュウサギ、そしてこのコサギの3種です。全長約60cmといっても、鷺の仲間は首が長く伸びますので、見た目の大きさはカラス大です。多くの白いサギは黒いくちばしが秋冬に黄色くなるが、コサギだけは1年中黒い。


ハイタカ

山で見かけたハイタカ

 小型の種類のタカでハヤブサにもよく似ている。メスは全長約40センチ、オスは30センチ程度とオスの方がメスよりも体が小さい。翼は短く、長い尾羽根には4本の黒い帯が見られる。翼の上と尾っぽが青みがかったグレーであるのがオス、羽の上が褐色のグレーであるのがメス。
 繁殖期はペアで行動し、それ以外は単独で群れになることはない。主にキジバトやアカゲラなど中型の鳥を獲物にし、ネズミ類を食べることもある。警戒時や威嚇(いかく)をするとき、またメスにエサを渡すときに「キィーキィキィキィ」と甲高い声で鳴く。針葉樹の葉が密生した枝上に枯れ枝を積み重ねて巣を作り、5月頃3〜5個の卵を産み、抱卵は33日位、巣立ちは30日位。


ノスリ

山で見かけたノスリ

 ノスリは、全長55cm、トビより少し小さく、ハシブトガラスと同じくらいの大きさのタカの一種です。上面は茶褐色基調で濃褐色の太い顎線があり、虹彩は黒っぽいです。下面は褐色のものが多いが、白っぽい個体もいます。腹は濃茶褐色の大きな斑が密にあって黒っぽい帯状になり、俗に"腹巻"と呼ばれます。
 北海道全域の森林や山間部、農耕地などに通年生息し繁殖します。繁殖期になるとオスもメスも「ピーエー」と口笛のように鳴く。5月から6月頃、林の大木の枝に小枝を積み重ね、中に青葉のついた小枝を敷いた巣をつくり、1回におよそ2〜3個の卵を産む。


ハクセキレイ

山で見かけたハクセキレイ

 水辺で暮らし、地上や水中でミミズや昆虫を食べ、ときには空中で飛んでいる虫も捕まえる。全身白っぽいセキレイで、後頭部と喉が黒い。いつも尾羽根を上下に振り、足を交互に動かし素早く歩きまわっている。白い顔と目の前後にのびる黒い線が特徴。冬は薄い灰色で、おなかはいつも白い。
 石垣の隙間や建物のちょっとしたくぼみに営巣し、繁殖する。繁殖期を過ぎると街路樹や橋脚などの集団ねぐらで眠る。「チュチュン」と優しい声で鳴き、飛び立つときは「チュイリー」と鳴く。


カヤクグリ

山で見かけたカヤクグリ

 全長14cm。翼開長(翼を広げた大きさ)が約21p、体重15〜23gほどで、スズメと同じくらいの大きさ。雌雄同色で、地味で目立たない色彩をしています。上面は赤みのある褐色地に黒褐色の縦斑があり、下面は一様にねずみ色。
 日本特産の鳥で、北海道、本州、四国の、亜高山帯上部や高山帯の低木林にすみ、ハイマツなどに営巣する。コケ類、枯れ草、茎、細根などで椀(わん)形の巣をつくり、内部に羽毛などを敷き、青色の卵を3、4個産む。食性は雑食性で、低木をぬうように移動しながら「小型の昆虫」「幼虫類」「クモ」「草や木の種子」などを食べている。夏は「昆虫」、冬は「種子」を主に採食し、昆虫や植物の種子などをあさる。


ルリビタキ

山で見かけたルリビタキ

 小さな青い鳥。オスは頭から尾にかけての青い羽根が美しく、小さな白い眉斑があり、下面は白い。わき腹のオレンジ色が印象的。メスは体全体が緑色をおびた茶色、いわゆるオリーブグリーンで、尾に少し青い色がでる。
 季節によって生活場所を変える鳥で、春から夏は子育てのため標高1,500メートルくらいの山の針葉樹林で暮らしている。冬が近づくと低いところにおりてくる。6月から8月頃の繁殖期にオスは高い枝にとまり「ピチチュリ、ヒョロロ」とさえずる。


ツグミ

山で見かけたツグミ

 体の大きさは全長24cmとスズメよりかなり大きく、ヒヨドリとほぼ同じくらいです。雌雄同色で、体の上面は褐色、翼が茶褐色、下面は白っぽく、黒い班の胸のうろこ模様が特徴。全体的に比較的地味な色合いなので、野原などでじっとしていると、保護色となってあまり目立たない。
 冬鳥として秋に群れで渡来し、初めは北の地方や山地で生活していますが、次第に分散し、低地や暖地に移動します。秋の夜空から「ツィー」というツグミの独特のヒヨドリよりやや固めの声で鳴く。年明け頃からは地上に降りて食べ物を探すことが増え、目にしやすくなる。数歩ずつ跳ねては立ち止まるという動作を繰り返し、「クワッ、クワッ」と鳴きながら飛ぶ。


アオジ

山で見かけたアオジ

 全長16cm 翼開長22cm。和名のアオ(緑)よりも、体下面の黄色が目立つホオジロ類。夏鳥として北海道と本州に渡来し、繁殖する。ホオジロの仲間は茶色っぽい体のものが多いが、アオジは黄色みをおびているところが特徴。
 ツガイで縄張りをもち、地上又は低木の枝の上に、イネ科植物の茎や葉で巣をつくる。地上をピョンピョン跳ね歩き、草木の種、虫やクモを探して食べる。繁殖期は5月から8月頃。オスは「チッチョチチチリーチョッリリ」「ジリリリ」。ホオジロよりゆっくりとさえずる。


アトリ

山で見かけたアトリ

 黒とオレンジのコントラストがとても美しいアトリは、16cm程度で、スズメよりはやや大きいサイズ。オスの冬羽は喉から胸にかけてと風切羽の縁がオレンジ色。頭部から背中に欠けては赤茶色をしており、お腹としっぽの下側は白く、脇には黒いまだら模様がある。夏羽になると、頭部から体上面にかけては光沢のある黒色に変わる。メスの冬羽は頭部が灰色みを帯びた茶色であり、黒い頭側線が入っている。背中は黒く、オレンジ色のまだら模様がある。
 ユーラシア大陸の亜寒帯針葉樹林で広く繁殖し、日本には、冬鳥として毎年10月頃、数万羽の群れでやってくる。名前の由来は大群をなして移動するという意味から「集鳥(あつとり)」と呼ばれていたものが訛ったものだとされます。木に止まる姿がまるで花が咲いているかのように見えることから漢字では「花鶏」と書く。


クロジ

山で見かけたクロジ

 全長17cm。ホオジロとほぼ同大のホオジロの仲間。オスは全体が暗い灰色、メスは褐色で、メスオスとも背・翼には黒褐色の模様があります。
 生息地が日本周辺の狭い地域に限定されているため、世界的には珍しい鳥とされる「クロジ(黒鵐)」。 主に北海道や本州の日本海側、国外ではカムチャッカ半島南部からサハリン、千島列島で繁殖し、冬期は関東地方から九州、南西諸島に移動します。「ピー フィー ツー チョチー」などとアオジのさえずりにも似た声でうたいます。地鳴きはアオジより低めの「ジッ」。冬期は本州以南の暗い林にすんでいて、主に地上で草の種子を食べています。





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高尾山自然観察手帳

高尾山は植物研究者にとって最良のフィールドとなっており、高尾山で初めて発見された植物もたくさんあります。