八王子城の怪奇現象八王子城の怪奇現象

八王子城の怪奇現象


 八王子城といえば、全国的にも有数の心霊スポットとして心霊好きの間では知られている。実際に霊を見たという話も、書籍やインターネットで広まっている。

「悲しくすすり泣く女の声が、どこからともなく響いてきた」
「八王子城への山道を散策していたら、鎧武者姿の亡霊に出くわした」
「夜に肝試しに行った際落ち武者の足音を聞いた」
「御主殿の芝生の上で急に何かにつまずき、下を見たら恨めしげな顔をした生首がいくつも転がっていた」
「山頂近くで異様な気配を感じて振り返ったら草葉の陰から落ち武者がうかがっていた」
「川でキャンプ中に無数の足音に囲まれた」

 こういったなんともおどろおどろしい体験談が語り継がれているのが、八王子城です。
 ここはあの稲川淳二氏が、怪談話の「十八番」にしている様な所で、「興味本位でこの城には近づかないほうがいい」とテレビで警告していたいわくつきの場所です。

 というのも八王子城は北条氏照の臣下や彼の一族に連なる婦女子、そして八王子城に逃げ込んだ婦女子が非業の死を遂げた場所なのです。
 この八王子城は、小田原城に対する見せしめのために攻城され、小田原討伐において他に例を見ない悲惨な戦となったことでも知られています。

 八王子城は、北条氏の本城である小田原城の支城であり、関東の西に位置する軍事上の拠点であったが、小田原征伐の一環として1590年(天正18年)7月24日(旧暦6月23日)、八王子城は天下統一を進める豊臣秀吉の軍勢に加わった上杉景勝・前田利家・真田昌幸らの部隊1万5千人に攻められました。

 しかし、攻め込まれた際、城主の氏照以下家臣の主力部隊が小田原本城にあり、八王子城内には城代の横地監物吉信をはじめとする少数の老臣のほか、領内から徴兵された農民やその家族3000人ほど、つまりほとんどが非戦闘員の立てこもりだったのです。
 しかし、上杉、前田、真田の豊臣軍1万5千の軍勢に対抗する術は無く、堅牢なつくりであった八王子城をもってしても僅か一日で落城してしまうのだった。

 本来、籠城戦は敵味方双方の人命を優先する戦法が主流だったが、八王子城攻めは小田原への見せしめの意味もあり、秀吉軍は全滅目的で徹底的に攻撃したのです。
 捕まった婦女子達は首を刎ねられ、その首は「見せしめ」として合戦の最中だった北条軍の士気を下げるため、小田原へと運ばれ晒されたという。

 しかし落城の間際に城に残された氏照正室・比佐を初めとする城内の婦女子は、捕虜の辱めを受けるのを是とせず、家族の前に首を晒されるくらいならと、自刃、あるいは御主殿の滝に身を投げます。

 御主殿の滝から流れる城山川は彼女たちの血に三日三晩赤く染まったとのこと。

 麓の村では城山川の水で米を炊けば赤く米が染まるほどであったと伝えられており、先祖供養にあずきの汁で米を炊いた赤飯を炊くこの地の風習はこの逸話がもとになっている。

 あまりの惨劇に祟りを恐れた後の天下人徳川家康はこの地に結界を張り長きにわたり封鎖したが、現在も怨念静まらず武者や婦女子の霊が目撃され数々の怪奇現象が報告されています。

 御守殿の滝のあたりがいちばん霊の波動が強い場所だといわれていますが、御主殿の滝周辺では自刃した女子供の啜り泣きが聞こえる、当時の再現のように滝壺や川が赤く染まるともいわれています。

 滝に現れる幽霊は殆どが女子供で、奥女中の着物を纏った人もいるそうです。滝に身を投げた北条氏照の正室・比佐を初めとする城内の婦女子でしょうか。
 女性や子どもが身を投じたとされている橋周辺でもの霊の目撃情報や声が聞こえるとの噂もあります。
 また、周辺では首吊り自殺や焼身自殺が絶えないという噂もある。

 なお、落城した6月23日、現在の7月24日付近は、地元の人でも八王子城跡に近づかないそうです。江戸時代からの噂では、「落城の日には人馬、鉄砲、女の叫び声が聞こえ、里の人は踏み込まなかった」(『北条軍記』)、「晴れた時でも、落城の日は雲が立ち込めて、剣の音が響き、悲鳴が聞こえる」(『桑都日記』)などと言われ、当時の書物にも記述が見られる。
 そのため、現在も落城の日には誰も山に入らないという話だ。

 それにしても、そんな恐ろしい話があるなんて想像できないほどに八王子城山は、ハイキングにはもってこいの自然豊かな場所だ。ぜひともこの自然を満喫していただきたいが、八王子城山を歩く際には、死者を祀る碑や史跡に心から冥福を祈り、どうか戦死者の魂の安息を乱すようなことの無いよう、ルールを守った散策をくれぐれもお願いしたい。

 



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八王子の名城「八王子城」「滝山城」は令和4年2月11日、登城記念として「御城印」の販売を開始した。御城印の販売は、桑都日本遺産センター八王子博物館のみの取扱となっている。一人各1枚まで購入することができる。購入方法は、日本100名城スタンプ(八王子城)、続日本100名城スタンプ(滝山城)を押印したものなど、現地を訪れたことがわかるものを持参し、指定の販売場所で購入することができる。現地を訪れたことがわかるものが無い場合は、販売場所でのクイズに答えることで購入することができる。