八王子城の歴史を紐解く

八王子城跡散策ガイド

　多摩丘陵を望む小高い山の上に築かれた、関東屈指の巨大山城である「八王子城」。 豊臣秀吉の小田原攻めに備えて、甲斐方面からの侵攻の備えとして強化された城と考えられるが、城主不在のまま豊臣方の軍勢に攻め込まれ１日にして落城しました。
　城山には様々な動植物が生息し、四季折々の様子を目にすることができます。
　散策すれば歴史を学ぶとともに、豊かな自然に触れる有意義な時間を過ごすことができます。

　以下は、城山城跡ガイダンス施設に掲示してある「八王子城跡散策マップ」です。
　記載されている番号にそって散策の見どころを紹介します。
　なお、同施設では、この散策マップを含め数々のパンフレットが用意されていますので、散策前に立ち寄って入手することをおすすめします。

１2．宗関寺

平安時代に華厳菩薩が開いた寺を、北条氏照が永禄７年に再興した寺が前身と言われています。 天正十八年（1590年）八王子城と共に焼失しましたが天正十九年（1591年）に第四世豁州達翁大和尚により再建され、十石の寺領を賜いました。現在の場所は八王子城家老横地監物の屋敷跡であり、明治時代にここへと移りました。寺の第２駐車場わきには城の守りの一部である横地堤が残っています。

13．北条氏照および家臣墓

八王子城が落城した約100年後の江戸時代に中山信治によって建てられたものです。左右は北条氏照の家臣・中山家範と、その孫である中山信治の墓です。背後に石塔群がありますが、北条氏照の家臣団の墓とされています。氏照は小田原城下で切腹し、小田原駅近くにも墓があります。

16．ガイダンス施設

八王子城跡見学の拠点として八王子城の歴史やその城主であった北条氏照について詳しく展示されているため、八王子城跡を散策する際にはぜひ立ち寄ってほしいスポットです。展示スペースでは、映像も使って小さな子供でも分かりやすいような展示が行われています。

6．大手門跡

大手門は城の表門にあたり、このあたりが八王子城の正面口であったと考えられています。 薬医門形式の礎石や敷石が見つかったそうだが、現在は、遺跡保護の為に、埋め戻されている。

7．古道

古道は戦国時代に御主殿に入る道として使われてきました。当時は、城山川下流方面にさらに続いていたと考えられています。 八王子城が落城してから400年にあたる平成2年（1990年）、八王子市開市400年事業の1つとして、八王子城跡の整備が行われました。御主殿地区の石垣と虎口などの通路、御主殿に続く古道が整備されました。

11．御主殿の滝

落城時に御主殿にいた北条方の武将や婦女子が、滝の上流で自刃して次々に身を投じ、その血で城山川の水は三日三晩赤く染まったと伝えられています。 この地域には、先祖供養のために小豆の汁で「あかまんま（赤飯）」を炊く風習もあるという。

8．曳橋

整備された御主殿跡へ入るための通路として、城山川にかけられた橋です。当時は、これほど頑丈なものでなく簡単な木橋であり、攻められた際にはその橋を壊すことで敵の侵入を防ぐものだったと考えられています。

10．御主殿跡

氏照の館があったとされています。落城後は幕府直轄領や国有林となったため、当時の状態のままで残っていたようです。発掘調査の結果、建物の礎石や水路跡、多数の遺物が出土しました。

９．虎口

城や曲輪の出入口は虎口と呼ばれ、防御と攻撃の拠点となるようにさまざまな工夫がこらしてあります。御主殿の虎口は木橋をわたった位置から御主殿内部まで高低差約9mを「コ」の字形に折れ曲がった階段通路としていることが特徴です。階段は全体で25段、踏面が平均１ｍ、蹴上が３６ｃｍで、約５ｍの幅をもっています。途中の２箇所の踊り場とともに、全面の石が敷かれているのは、八王子城独特のものです。

５．金子曲輪

ちいさな曲輪をひな壇状に配置し防衛したもので、馬蹄段の上にあるのが通称「金子丸」と呼ばれる金子曲輪。ここは、八王子城合戦の時は金子三郎左衛門家重が守っていたと言われています。

２．小宮曲輪

狩野一庵が守備したと言われています。三の丸とも一庵曲輪とも呼ばれていました。三の丸には御嶽神社が祀られ、北方には「かき下し」の断崖絶壁となる滝の沢の深い谷となり、自然を生かした要害となっています。八王子城攻めの際に上杉軍に攻められ、小宮曲輪の陥落が引き金となり、山頂の曲輪が次々と破られていきます。

３．八王子神社

北条氏照が八王子城築城にあたり、城の守護神とした「八王子権現」が祀られている神社です。

１．本丸跡

横地監物吉信が守備した城の中心でもっとも重要な曲輪であったと考えられています。山頂でそれほど平地がないため天守閣はなかったと考えられています。

4．松木曲輪

中山勘解由家範が守備していたと考えられています。八王子城攻めの際には奮闘するも多勢に無勢で防ぎきることはできませんでした。中の丸とも二の丸とも呼ばれていました。近くには「坎井」と呼ばれる井戸があります。「慶安の古図」には拾間ｘ七間の広さがあったと記載されています。

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