高野山（和歌山県）主要な領国以外

高野山（和歌山県）

　高野山は、真言密教の聖地として知られ、多くの戦国武将たちが信仰を寄せていました。
　武田信玄もまた高野山を深く崇敬し、寺領の寄進や、戦で討ち取った敵兵の供養を行いました。
　信玄は、戦国の世に生きる武将として、多くの命を奪ったことに心を痛めていたのかもしれません。
　彼は、敵味方を問わず、戦死者の霊を弔うために高野山に供養碑を建立しました。
　これは、信玄が単なる冷酷な武将ではなく、仏教に深く帰依し、死者の魂を安んじようとした人間らしい一面を持っていたことを示しています。
　特に、高野山奥之院には、武田信玄の供養塔が建てられており、彼の霊がこの聖地で安らかに眠っていると信じられています。

高野山：戦国武将の信仰と魂の安らぎを求める聖地
　和歌山県に位置する高野山は、真言密教の開祖である空海（弘法大師）によって開かれた、日本仏教の聖地です。
　この山は、平安時代から多くの人々の信仰を集めてきましたが、戦国時代には、多くの戦国武将たちが、戦で奪った命を供養し、自らの魂の安らぎを求める場所となりました。
　武田信玄もまた、この高野山を深く崇敬し、彼の生涯と信仰を語る上で欠かせない重要な場所です。

信玄の信仰心：戦乱の世の心の支え
　武田信玄は、臨済宗の禅僧である快川紹喜（かいせんじょうき）を深く尊崇するなど、禅宗に深く帰依していましたが、同時に、高野山の真言密教にも強い信仰を寄せていました。
　これは、信玄が、特定の宗派にとらわれず、仏教の教えを広く受け入れ、戦国時代の過酷な現実を生き抜くための心の支えとしていたことを示しています。

　 １．寺領の寄進と保護
　信玄は、高野山に多額の寄進を行い、寺院の維持と発展に貢献しました。
　これは、信玄が、単なる権力者としてではなく、仏教文化の保護者として、その役割を果たそうとしたことを物語っています。
　戦乱の世において、寺院は、学問や文化の中心であり、信玄は、高野山を保護することで、人々の精神的な安定と、領国の文化的な豊かさを守ろうとしました。

　２．死者の供養
　敵味方を問わない慈悲 信玄は、戦の天才として、生涯に多くの戦で勝利を収めましたが、その陰には、多くの命が失われました。
　信玄は、このことに心を痛めていたのかもしれません。
　彼は、敵味方を問わず、戦死者の霊を弔うために高野山に供養碑を建立しました。
　これは、信玄が、単なる冷酷な武将ではなく、仏教に深く帰依し、死者の魂を安んじようとした人間らしい一面を持っていたことを示しています。
　特に、高野山奥之院には、武田信玄の供養塔が建てられています。
　これは、信玄が、自らの死後も、この聖地で安らかに眠りたいと願っていたことを物語っています。
　信玄は、戦場では冷徹な判断を下しましたが、その心の奥底には、仏の慈悲を求める、深く繊細な感性があったのです。

高野山奥之院：信玄の霊廟と歴史の舞台
　高野山奥之院は、空海が入定した場所として知られ、多くの人々の信仰を集めてきました。
　この参道には、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康など、多くの戦国武将たちの供養塔や墓が立ち並んでいます。
　信玄の供養塔も、この奥之院の参道にあります。
　信玄の供養塔は、家臣たちによって建立されたとされており、信玄への深い忠誠心と、彼らの思いが込められています。
　この供養塔は、信玄が、単なる権力者としてではなく、多くの人々から深く慕われていたことを物語っています。
　高野山は、信玄が築き上げた武田の歴史と文化を今に伝える場所であると同時に、信玄の心の葛藤と、彼が求めた魂の安らぎを物語る場所でもあります。
　信玄は、戦国の世に生きる武将として、多くの命を奪うという宿命を背負っていました。
　しかし、彼は、その罪を償うかのように、仏教に深く帰依し、死者の魂を弔い続けたのです。
　高野山は、武田信玄の信仰心と、戦国武将としての苦悩を今に伝える貴重な歴史の舞台です。
　信玄は、戦場では冷酷な判断を下しましたが、その心の奥底には、仏教の教えを深く信じ、死者の魂を安んじようとした、人間らしい一面を持っていたのです。
　高野山奥之院にある信玄の供養塔は、静かに信玄の生涯を語り継いでいます。

　この場所を訪れることは、信玄の軍略や政治手腕だけでなく、彼の内面の葛藤と、彼が求めた魂の安らぎを、肌で感じることができる貴重な体験なのです。

住所：高野山全体を指す住所は「和歌山県伊都郡高野町高野山」となります。
　　　主要な寺院である金剛峯寺の住所は「和歌山県伊都郡高野町高野山600番地」です。
アクセス方法：
　 電車・ケーブルカー 南海電鉄の利用が一般的です。
　 大阪（なんば駅）から: 南海高野線特急こうや号または急行で極楽橋駅まで行き、高野山ケーブルカーに乗り換えて高野山駅へ。
　所要時間は特急で約1時間40分、急行で約2時間です。
　 和歌山駅から: JR和歌山線で橋本駅まで行き、南海高野線に乗り換えて極楽橋駅へ。高野山ケーブルカーに乗り換えて高野山駅に到着します。
　高野山駅からは、山内を巡る南海りんかんバスが運行されています。
車： 大阪方面から: 阪和自動車道、京奈和自動車道を経由し、紀北かつらぎICから国道480号を利用します。
　　 白浜方面から: 国道42号、高野龍神スカイラインを利用します。
注意点: 高野山へ向かう道は冬季に凍結・積雪する場合があります。 高野山内には複数の有料駐車場があります。