愛知県犬山市

 

桃太郎神社にまつわる様々な伝説があります。

 桃太郎神社神社の由来が境内に掲示してあり,それによると,昔,天照大神の親神様「伊邪那枝命(いざなぎのみこと)が黄泉の国で悪魔に追われて難儀をしていたところ,比良坂という所でたくさんの桃の実を見つけ,桃を採って悪魔に投げつけたところ桃の持つ威力によって難を逃れたといいます。

 伊邪那枝命はこの桃に大神実命(おおかむづみのみこと)という名をつけ,これから後,人々が苦しむようなことがあったら助けてやってほしいと伝えました。
 後に鬼が出て村人たちが困っていると桃が桃太郎に生まれ変わり,鬼を退治して,幸せな村にしたといいます。

 神社が鎮座する来栖(くりす)は、物語に登場するお爺さんとお婆さんが住んでいた地とされ、鬼退治から戻ってきた桃太郎は、二人が天寿を全うすると、近くの山へ登りそれっきり姿を隠してしまったそうです。
 それ以来、桃太郎の姿を見た人はいませんでしたが、不思議な事に山の姿がだんだん桃のような形へと変わっていきました。
 それを見た村人たちは、やっと桃太郎が桃の神様の生まれかわりであったと気づきます。
 そこで山を「桃山」と呼んで崇拝するようになり、その後、桃山の麓に小さなお社を作って桃太郎をお祀りしたことが「桃太郎神社」の起源とされています。

 地域には、犬山市の犬山にも「犬」の文字が付いているように、「猿洞」「雉ヶ棚」など、桃太郎が子供の頃に過ごしていたと伝わる場所には「犬」「猿」「雉」の名が残っています。
 お爺さんお婆さんが過ごした場所は「古屋敷」と地名が残り、目の前を流れる木曽川の沿岸には桃林があり、上流には「大桃」という場所もあります。
 お婆さんの所へ流れて来た桃は、そこからドンブラコとやって来たと伝わっています。